鍼灸マッサージ/保険について

鍼・灸・あん摩・マッサージ・指圧療法について>

鍼灸は、東洋医学或いは漢方医学の一分野として古代中国に起源をもつ我が国の伝統的医療であり、6世紀初めの飛鳥時代、日本に渡来したといわれています。鍼灸と漢方薬は中国の漢の時代に集大成されましたので、漢方医学とも呼ばれております。

 現在では、諸外国(米国、ヨーロッパ各国)においても鍼灸が盛んになってきており、国際学会も開催され、公的な医学研究所・医科大学・鍼灸大学・鍼灸短期大学・医療機関等で科学的実験や研究がなされて、鍼灸医学の効果が証明されてきております。

 鍼(はり)治療とは?

 鍼と呼ばれる専用の治療具を用い、身体の表面(主に経穴(ツボ)にあたる部位)や、特定の筋肉・各部位などに対し治療を施し、症状の改善に効果をあげます。

 鍼を刺すことで「痛い、恐い」と思われる方も多いようですが、治療に用いる鍼は一般的には直径0.2mmと毛髪ほどの太さしかありませんし、習熟した技術により、瞬間的に皮膚を通過させてしまうので、ほとんど痛みはありません。

 またディスポーザブル(使い捨て)の鍼の使用や、器具・手指の消毒をしっかり行うなど、感染防止の意味も含め衛生面にも十分な配慮を払っています。

灸(きゅう)治療とは?

 一般的には艾(もぐさ)を用い、身体の表面【主に経穴(ツボ)にあたる部位】に温熱刺激による治療を施し、症状の改善に効果をあげます。

 はじめて灸治療を受けるときは、やはり「灸は熱い、跡が残る」という不安を持たれるのではないかと思います。

 しかし、半米粒大くらいの艾を用いますので、一見して目立つ大きな跡が残ることはありませんし、数回の治療で上手に据えれば、治療後しばらく経てばほとんどその跡も消えてしまいます。

 また、灸といってもさまざまな種類があり、艾と皮膚の間に薬効が期待される生姜などを挟む方法や、輻射熱を利用した方法など、心地良い温熱刺激で跡が残る心配がまったくないものもあります。

 あん摩・マッサージ・指圧治療とは?

 押し、引き、撫で、さすり、揉み、叩くといった手技を用いて、患者個々に適した刺激量を選択し、治療を行います。

 あん摩・指圧が経穴(ツボ)経絡(ツボとツボを結ぶ線)を意識して施術するのに対し、フランスから伝わったマッサージは、リンパ・血液の流れ・筋の走行に従って施術します。

 このように、あん摩・指圧とマッサージとでは、理論や手技が全く異なるのですが、日本においてはひとつの資格として法制化されています。

 あん摩や指圧は体の中心から末梢に向かって遠心性の刺激を与えるのに対し、マッサージは身体の末梢から中心に向かって求心性の刺激を加えるのが原則です。「手で身体の状態を診ながら、悪い部分を見つけ治療する」という点では、あん摩・指圧・マッサージは同じですが、あん摩は中国で、マッサージはフランスで、指圧は日本で、それぞれ生まれ発達してきた手技療法です。

<健康保険で鍼灸あん摩マッサージ指圧治療を受けるには>

「対象となる疾患であること」「医師の同意書があること」

の2点が条件です。
 
次の疾患は「鍼灸治療」の健康保険取り扱いの対象です。

  1. 神経痛
  2. リウマチ
  3. 腰痛症
  4. 五十肩
  5. 頚腕症候群
  6. 頚椎捻挫後遺症

その他、これらに類似する疾患など。

次の疾患は「あん摩マッサージ指圧治療」の保険取り扱いの対象です。
それぞれの病名によることなく次の症状が対象となります
(例として脳血管障害後遺症・パーキンソン病・糖尿病など)

  1. 筋麻痺等
  2. 関節拘縮等


健康保険で鍼灸及びマッサージ治療を受ける手順について説明致します 。

  1. まず、これから通院する「鍼灸あん摩マッサージ指圧の治療院」に保険取り扱いをしているかお問い合わせください。
  2. その治療院から、医療機関で記入していただく「同意書」という用紙を受け取ってください。
  3. その同意書を、かかりつけの病医院に持参し、必要事項を記入していただいてください。
  4. 記入済みの同意書、保険証と印鑑を持って治療院へ通院してください。

 
その他の手続き等、詳しい事項については、鍼灸あん摩マッサージ指圧の治療院にお問い合わせ下さい。